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2009年9月20日 (日)

あなたの知らないところで脳は働いている

うつ病は一時的な脳の機能不全だと思います。

医学の知識はありませんが、体験者の実感があります。

脳は情報伝達を司る器官であり、その中で、伝えるべき情報を最も速い経路で伝えるべき相手に送り出す。受け取る側はそれを瞬時に受け取り、また次の伝えるべき相手に送り出し…

この作業を繰り返しているのではないでしょうか?

それがあまりに速くて滑らかなので、「無意識にやっている」と勘違いしてしまいますが、それは自動的に行われているのではない、と実感しました。

私は自宅の階段で、2、3段上がった後「え?次はどっちの足を上げればいいの…」と止まったことが何度もあります。

「うつ友」は何もない路上で足がもつれてコケたそうです。

人が歩く時、右足の次に左足を出したら、その次は右足ですね。これは一見「無意識」の動作のように見えますが、実際は光よりも速い速度で大量の情報伝達が脳の中で行われた結果なのです。

この情報伝達が上手く機能していないと、足がもつれます。

あなたが何気なくテーブルの上のコップを右から左へ移動させる時、どれだけ遠くへ手を伸ばすのか、どのタイミングでコップをつかみ、どこで離すのか、様々な情報が脳の中で飛び交っています。

情報伝達が超スローになった者にとって、テーブルの上を片づけるという些細な家事ですら、拷問レベルの重労働になります。

さらに「脳を使う」動作、例えば買い物、料理、仕事、人と話す…がうつ病患者には不可能なのはこのためです。

骨折してギブスを着けた人に100m全力で走れ、と言うのと同じほど過酷です。

以前は簡単に出来た、という記憶があるだけに一層つらいのです。

かつて世界記録で駆け抜けたトラックを、杖をつきヨボヨボと歩くような気持ちです――誰にも見られたくありません。

嬉しい事に、テレビや本のおかげで「脳ブーム」が始まり、予備知識が広まっています。

あなたの「脳君」は目立たない所で毎日健気に働いているんですよ。時々思い出して、ナデナデしてあげて下さい
ね。

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