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2012年6月29日 (金)

「奇跡の脳」ジル・ボルト・テイラー

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さなたろうさんのお勧めの一冊。新潮社2009年発行

「脳卒中」になった神経解剖学者が、立ち直り、新たな人間になるまでの実話。原題は My Stroke of Insight

TEDで彼女がプレゼンする様子はコチラ

体の機能の一部を失っても、決してなくならないものがあります。それどころか、ある一部を失ったおかげで、花開く肉体の回路があります。

彼女は、左脳が殆ど機能しなくなったおかげで、長い間右脳に隠れていた「愛と平和」の特質を再発見し享受します。

そして回復する過程の中で、左脳のどの働きと右脳のどの個性を「選んで生きていくか」を「自分で手綱をとる」と言っています。

自分のアイデンティテーを確立させる、考える頭(左脳)と、宇宙とつながった深い安らぎと思いやりの心(右脳)、両方の脳のよい点を選び、意識的につなげられると述べています。

悟りや心の平安は特別な人だけが到達するものではなく、ちょっとしたコツで、誰にでも可能だと、実体験から励ましてくれているジル

学者らしい冷静な筆致で書かれた説明文は左脳の作品。感覚やエネルギーの勢いで書き上げた後半は右脳の芸術にみえます。

レイキの教えと共通しているところも多いのが意外でした。

何より、うつ病の時に、ぼんやりと観察していた自分の脳の中と、博士の体験がいくつか合致していて、興味がつきません。

小賢しい理屈や道理を盾に、常に何かに「勝とう」としていた私。全てはひとつという右脳観を受け入れるためには、まず「何もできない、何も考えられない」ニュートラル状態に、無理やりにでもしばらく留まる必要があったのでしょう。

右脳と左脳は対称的に同じ大きさで与えられています。どちらにも傾きすぎることなく、上手く「手綱をとる」人が増えることを望みます。

宇宙とつながった今ここを生きながら

個人として淡々とやるべきことをするという

バランスの取れた生き方は、私たちのすぐ近くにあります

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高次 脳機能障害の医師が書いた「壊れた脳生存する知」

こちらも内側から冷静に観察した体験談

どちらの本も、当事者とその介護者必読です

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