いつかどこかで5
私は白髪で背の高い上品な女性になっていました。
王が亡くなった後、国政から退いて
平和な日々を過ごしたようです。
もう二度と人を愛さない、と誓ったこともありましたが
その後、広い心で多くの人たちを愛し、愛された人生でした。
あらゆる生き物が天国への道を祝福してくれています。
砂浜に座っているひとりの老人に気づきました。
彼には右腕がありません。
その瞳は間違いなくかつての恋人のものでした。
腕を失いながらも、彼は生き延びていたのです。
あの時彼は、私との関係に怖れをなして、逃げていったのでした。
私自身も、自由への憧れを恋と勘違いしていたのかもしれません。
お互いに穏やかに年月を重ね
見つめ合うだけで全てを理解しました。
私は身につけていた装飾品を彼に渡し
それを人々と分け合うように言いました。
海の上に、光り輝く階段が見えます。
太陽がキラキラと輝き
私は光に向ってゆっくり歩み始めました
… … … … … … … …
… … … … … … … …
実る恋もあれば、実らない恋もあります
そう、人生では「一見うまくいかないこと」が起こるんです。
それを糧にして、こんなふうに歳をとりたい…
うんにゃ
もう一回ぐらい、恋をしてもよかったのかなぁエヘヘ
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