いつかどこかで4
エジプトか中東の国のようでした。
深い森の中を、私は走っていました。
城を抜け出し、必死に恋人を追いかけていましたが
緑の壁に阻まれて前に進めません。
とうとう、彼は私を振り切って行ってしまいました。
身分の違いから許されない恋。
でも、私はどうしても城の外に出たかったのです。
彼ならそれを叶えてくれるはずでした。
家来に連れ戻された私は
父である国王の前に立たされていました。
私の前に、切り取られた男の右腕が差し出されました。
血に染まった手首には私が与えた金の腕輪が…。
勝ち誇ったような王の顔。
それを見て気がつきました。
王は私の父ではなく、歳の離れた夫だったのです。
私が恋をすること、私が自由になること…
それは彼にとって屈辱でした。
私が嘆き悲しむのを待っている夫。
ここで泣いては私の負けです。
殺された彼とは何の関係もなかった
彼の死を知っても何も悲しくない
そう振舞うために、私は泣きませんでした。
そして、誓ったのです…もう二度と人を愛さないと。
゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜
その後はどのような人生を送ったのかを知りたくて
自分が死ぬ場面を見てみました。
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