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2014年6月

2014年6月30日 (月)

いつかどこかで7

それから何十年か経ちました。

彼は白髪の老人になっています。

村を離れてからも、更に学びながら働き続け

いくばくかの財産を得て、故郷へ戻ってきていました。

湖のほとりで余生を楽しんでいる様子です。

孫娘の小さな手を取って、彼が家から出てきました。

澄み渡った空をうつして、湖がいっそう青く輝きます。

太陽と緑の山々に優しくつつまれるふたりを

私は雲の上からそっと見ています。

彼が道端の花を摘んでお墓にそえています。

それは私の墓でした。

彼はずっと私の教えを守りながら生き

そして、私の墓の近くに小さな家を立てて住んでいたのです。

「あなたのおかげで、いい人生を送りました。

ありがとう。」

ありがとうという言葉と同時に

彼の胸から金色の光が放たれました。

あまりのまぶしさに、私は目が眩みそうになりました。

地球が小さなボールになるほど離れてみても

その眩しさは変わりません。

どんなに遠くにいても、彼がどこにいるかすぐ分かります。

そして、彼を見守り、助けずにはいられなくなるのです。

この眩しい光のおかげで、永遠に幸せ…

宇宙の深い青の中で

私はゆっくり泳いでいました。

… … … … … …

 … … … … … …

大いなる存在からのサポートを受けるのは

そんなに難しくありません。

感謝の波動を発信すればいいのです。

ほんっとに眩しいから、見逃されることはありませんヨ

あ~、びっくりして雲から落ちるかと思ったサ (*≧∀≦*)

20140614_142246

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2014年6月20日 (金)

いつかどこかで6

ヨーロッパの東の方だと思います。

まだ小さな子供だった私と黒い髪のその少年は

小さな国の後を継ぐ、1歳違いか双子の兄妹でした。

ある日、隣の国から攻め込まれ

彼は囚われ、処刑されることになりました。

物陰から悲しみに震えて見守る私に

「逃げろ、逃げて平和に暮らしてくれ」

彼の黒い瞳が強く訴えかけました。

… … … … …

兄の遺志を守り、私はどこか田舎の村で

身元を隠して暮らしたようです。

中年の小太りで穏やかな女性になっていました。

近所の貧しい子供たちに文字や、歴史、計算などを教えながら

彼らの陽気で純粋なエネルギーを楽しんでいるようでした。

その中にひとり、特別な目の輝きをした少年がいました。

「知恵や創意工夫、そして愛と誠意があれば

争ったり奪い合ったりしないで

お互いに平和に暮らすことができる。

あなたたちは戦争をしなくても、生きていけるのよ。」

静かな情熱を秘め、私の言葉にじっと聞き入る少年。

私が伝えたいことを一番理解していました。

「この子は死んだ兄の生まれ変わりだわ。」

彼は十代半ばで広い世界を求めて村を出ていき

私はそれから暫くして、彼と再会することなく一生を終えました。

次回に続く

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