ゆるす?ゆるさない?
誰かが悪質な行為をしたときには、私達はその人を逮捕して牢獄に入れる。それと同じように、私たちは心の中で、たくさんの人々を牢獄に入れているのです。私たちは彼らを閉じ込める。そんなわけで、許さないでいることは、ある種の牢獄です―あなたは他人を投獄するのですが、しかしそのようにすることで、同時にあなたは、自分自身をも投獄しているのです。
ウ・ジョーティカの「ゆるす」を読んでいて 、頭の中でこんな絵が見えました。
「コイツを永遠に閉じ込めてやるゾ」…鉄格子のこちら側で私は勝ち誇っています。 相手は不自由で、私は自由のように見えます。
でも、こうやって永遠に見張っているなら、私も永遠に不自由です。私の心が作り上げた鉄格子の中に、私の心がいるかぎり…。
なぜそんな不便なことにエネルギーを費やしているのでしょうか。
ウ・ジョーティカはこう言っています。
「許さないことによって、ありとあらゆる人生の問題について、手軽に使える説明、もしくは口実が手に入るのです。」 「わたしたちはそのように、他者を非難することで口実を探すのです。私の不幸は私のせいではない。悪いのは彼らだ。」
本を閉じてしばらくすると、声が聞こえてきました。
… …
私は傷つけられて、自分をなくしてしまった。
許さないでいることで、どうにか保ってきたのに
ここで許してしまったら、もう一度私がなくなってしまう。
… …
ずいぶんと「許してきた」つもりだったのに、そんな気持ちが奥深くにありました。
深い深いところから、ようやく浮き上がって顔を出し、私にご挨拶をしたのです、大粒の涙とともに。
ここ数週間の体調不良はそのせいだったのかもしれません。
さあ今から、私の中の鉄格子を取り払うことができるでしょうか。完全に取り払えなくても…もう少し、ユルめの格子にしたいものです。
この本は、ミャンマーのお坊さんのふたつの講話
「ネガティブなことへの対処法」と
「ゆるすこと」を文字にしたものです。
実はコチラのサイトで読むことができます。
でも、紙の本がお勧めかな。PC画面が辛くなってきたお年頃や、浄化期間中の方はとくに。
紙質、カバー、装丁などが柔らかく、訳者の穏やかな日本語に、心が落ち着きます。
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