いつかどこかで10
冬休みが近づいたので、物語をひとつどうぞ。
… … … … … …
奈良の南、飛鳥あたりだと思います。
私は白装束に身を包み、南から北へ山沿いに続く道を
高い下駄を履いてテレポートするかのように移動していました。
反対側から同じ格好の仲間が物凄い速さで近づいてきます。
すれ違う瞬間に、お互いの目と目を合わせて情報交換しました。
北と南の政(まつりごと)を司る人々が敵対しています。
もはや一触即発の状態でした。
人心が乱れ、山の麓に横たわる龍が苦しそうにうめいています。
私たちは頻繁にテレパシーでやりとりしながら
事態の収拾に努めていました。
… …
なんとかこの難局を乗り切ったようです。
一旦は黒ずんでいた龍の色が
どうにか白に戻り、表情も穏やかになりました。
「我々は何千年もこの仕事をしている」
そんな声が聞こえてきました。
… … … … … …
政治のために働くスパイのような組織ではなく
人々の平和のために密かに活動している
もっと大きな集団のようでした。
テレパシーやテレポートが普通だった時代があったそうです。
現在でも本当にいるのかもしれませんね。
もしかしてこの人たち?
来年は山野辺の道を歩いてみようかな
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