初めての経験 2(着物)
去年他界した姑は沢山の着物を残してくれましたが、私は全く関心がありませんでした。自分の能力では対処できない、謎の物体が家の中に鎮座しているような気がして、早く処分したいと思っていました。
かといって、捨てるのは惜しく、着てくれない人にもあげたくない、ちょっと複雑な感じです。どうしようかと思っていた矢先に華月(はづき)さんから「長いこと箪笥に入れっぱなしにしていると、着物がスネたり泣いたりしてる」と言われました。
着物の気持ちが分かるなら、最後まで大切に面倒をみてくれるに違いないと、彼女に引き取っていただくことにしました。
「これは華月さんに、これは外国の方に」と仕分けをしている時、「ふみさんも着たら?」と彼女が強く勧めてくれました。着物姿の自分はとても想像できなかったのですが、もう一人の友人に後押しされたこともあり、彼女から着付けを教えていただくことになりました。
新しいことを始めると、思わぬ方向にエネルギーが展開していき、世界が広がってきました。
一か月ちょいの猛特訓で、大胆にも初のお披露目は東京での新年霊授会。↓細かいところはグタグタでありながら、「これでもう自分で着れるぞ」という自信だけはつけるずうずうしさは、我ながら素晴らしい。
翌月もちょっとした席に「お着物で、ほほほ」↓
ええい、ものはついでだ?着物で記念撮影だ、と調子に乗るところも我ながら素晴らしい。フォトセラピストの凜さん にお願いして桜をバックに、というか私をバックに桜を激写↓(初体験なので、ぎこちない表情やポーズはご愛敬)
今回はちゃんとしたカメラで撮影なので他力本願でいくことに。ヘアメイクをしていただいたMayumi Ishisakaさんに着つけていただきました。(華月さんは当日ご都合が悪くて、残念)
たくさんの花見客の視線を受けながら、「モデルさんですか」という見え見えのお世辞に、更に調子に乗るところが、本当に素晴らしい。色々な人から色々なことを受け取り楽しむ -- 少し前ならこんな時間を自分に許していなかったかもしれません。
練習で何度も着たり脱いだり畳んだりして、伊達襟や帯締めなど素人なりのアレンジも加えていくうちに、謎の物体だった着物がしっかり私の手の中に納まっていたのです。
明るい光をいっぱいに浴びながら、多くの人の目を楽しませ、多くの人が「きれい」と言ってくれて、着物も帯も番傘もとても喜んでいました。箪笥の中で泣いていた頃が嘘のようです。目を配り、よく触ることの大切さをしみじみと感じました。
もしも家の中で気になる存在がある(いる)のなら、皆さんも口を出したり無視したりするのではなく、目や心を配り、時に触ってあげてください。
桜の枝のピンクの向こうに広がる青空、その向こうで姑も喜んでいたのでしょうか。その夜は、久しぶりにばあちゃんの夢を見ました。
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コメント
投稿: Ryoko | 2016年4月11日 (月) 22時48分
りょうこさーん

投稿: FUMI | 2016年4月12日 (火) 00時24分